1.校庭表土の作業援助金
茨城県で一番放射線量の高い県南地区。
平均で0.4〜0.5マイクロs/h。この環境下で24時間365日過ごすと外部被ばくだけで年3.5ミリsくらいになる計算です。寝ている時間もあるので、そこまで高くは累積しないと思いますが、食糧や呼吸から受ける内部被ばくも考慮すると、概ねその程度の累積被ばくは受けると思っています。
前回も書いたように、場所によっては雨で流されたセシウムが集まって、2マイクロs/hを超える場所が出始まりました。セシウムは水に溶けやすい性質があるため「動く」ということなのでしょう。
また今日の発表では、校庭の除染をPTA(保護者)が行う場合、自治体が援助金を出す事が決まりました。表土の削り取り作業を自治体はやらず「多少の金は出してやるから心配なら自分たちでやれ」というスタンスで落とし所を示したようです。
それにしても、如何せん行政の動きは遅すぎます。
水に溶けやすいセシウムは雨で流れるだけでなく、徐々に地下にも染み込みます。土壌が汚染された当初に作業すれば数ミリ削ぎ落す程度で除染できたものが、今では染み込んでしまい10cmくらい削らないと効果が出ない可能性もあるのです。とはいえ、動きを見せ始めた点では評価できます。
2011年8月24日 追記)
上記の援助金を使い、娘の通う小学校が早速工事に入りました。
PTA主体で行う予定が、実際は広範囲の表面を剥ぐ重機が入り、PTAによる人力作業は遊具のある周囲だけ。
3mくらいの山になるほど表土を集め、重機でドラム缶くらいの布袋に入れます。50個くらいは出来たでしょうか。
その布袋は校庭の端に彫った穴に三列に並べ、埋め戻します(写真)。
線量はというと、かなり下がりました。
校庭の周囲は高さ5cmで0.50とまだ高めですが、1.0を超えていた部分もなくなり半減しています。
校庭の中央は、同条件で0.2くらい。1mでは0.15くらいと、ほぼ平常値と言ってよいでしょう。
2.食品の汚染ベクレル
外部被ばくと同時に内部被ばくにも気を配る必要があります。外部線量が高い地区に住んでいる以上、内部からの被ばくを極力減らし、累積被ばく量を抑えなくてはいけません。
我が家の場合、野菜は関東・東北産を選ばず、なるべく遠い産地のものを選んでいます。地産地消の考え方もわかりますが、子供がいるのでそう簡単にはいきません。
肉類は外国産です。国産肉は今しばらくダメでしょう。
牛乳は北海道産です。ただ、牛乳にはイヤな噂があります。関東・東北で汚染された牛乳を関西に輸送し、そこで奇麗な牛乳と混ぜてベクレルを下げ、基準値内に薄めてから堂々と販売しているらしいのです。これでは産地がどこでも安全とは言い切れません。公表してくれないので真偽は不明です。
タマゴは近所のものが流通している可能性が高いです。避け切れないものは仕方ないので食べますが、その分を他の食材で調整しすることが大切になるでしょう。
家庭料理は対策しても、盲点は外食だったりします。
レストランが使用する食材は汚染されている(暫定基準値をクリアした程度)と思って計算しておいたほうが無難です。
3.空気中の放射線量
今現在でも原発から放射性物質は飛んでいます。しかし3〜4月ごろに比べると無視できる程度の量です。私たちは春先に大量のヨウ素とセシウムを体内に吸い込んでしまっているのです。よって今後の数か月で一年の累積量を調整するしかありません。
現在、空気中に漂っているセシウムがあるとすれば、それは舞い上げられた地表のセシウムでしょう。風や運動などで舞い上がる埃っぽい場所ではマスクをしないと危ないですが、子供の体育や部活の時間にマスクをするわけにもいかず、結局はウガイをする程度しか対策を打てません。
ところで現在、茨城県ではヘリを使って上空から地上1mの空間線量を計測しています。結果は1か月後とのこと。どの程度の結果が示されるのか、またその結果を受けた国や自治体が今後どのような対策を講じるのかに期待したいと思います。
4.飲料水・プール・海
これらの水関係は、ほぼ安全と言えるようです。
もともとセシウムは水に溶けやすく広く拡散しやすいせいで濃度が高まり難いです。あまり気にする必要はありませんが、飲料水は一応、浄水器を通した水だけを使っています。
プールの水も混入ベクレルが未検出との結果ですので気にする必要はないと判断しています。
(つづく)